防食って何?防食の基礎知識からパイプを守る電気防食装置を解説
防食は、金属が腐食やさびを防ぐために行われる加工です。
腐食といえば水まわりと密接な関係があり、パイプなどのように常時水と接している場所が特に起こりやすい場所と言えます。
今回は、腐食やさびといった現象を予防する防食とはどのようなものかを解説し、パイプの腐食を守る防食装置である、電気防食装置についてもまとめました。
さまざまな防食の方法
金属がサビを防ぐためにはさまざまな方法があります。
主な方法として、めっきなどのコーティングと電気を流して酸化を防ぐ方法があります。
まず、めっきなどのコーティングとして、酸化被膜形成が挙げられます。
これは自然環境下で金属自らが表面のみを参加させて防食作用を示すものです。
アルミニウムやステンレスなどは、すでに表面がサビた状態で防食作用を発生させています。
同様に興行的にめっきを施すことも多く行われています。
金属製品を金属イオンが大量に発生している場所に漬け込むことで表面に金属イオンによる保護層ができ、それがメッキと呼ばれる工業製品として出荷されているのです。
このほか、帯電した金属粉末を塗布して焼き付けるパウダーコーティングや、電気メッキと呼ばれる電気の力で金属に別の金属のコーティングを行うメッキも存在しています。
一方、水道のパイプなどは、パイプ自身にこういった加工を施して防食するほかに、電気を流すことによってさびにくくするといった防食を行っています。
このような方法で防食をするのは電気防食装置と呼ばれるもので、次の項目において、どのような防食の対策なのか、それぞれ解説していきましょう。
パイプのさびや腐食を防ぐ電気防食装置とは?
パイプのさびや腐食を防ぐ方法として電気防食装置があります。
この電気防食装置は、いくつかの方法があり、代表的な物で次のような種類が挙げられます。
・陰極防食法(カソード防食法)
・陽極防食法(アノード防食法)
いずれも電極を対象に設置して電気を流すことで酸化を防げるメリットはありますが、一般的には陰極防食法が主に利用されています。
流電陽極方式は、アルミニウムや亜鉛、マグネシウムと接続して、金属パイプとの電位差を利用することで防食効果のある電流を生み出します。
なお陽極防食法は、特殊な環境下でのみ施工されるため、日常生活で目にすることがまずありません。
そのため、電気防食装置で利用されている方式は、陰極防食法となります。
陰極防食法には、外部電源方式や選択排流方式といった方式が用いられています。
まず、外部電源方式は、パイプの外に電源装置を設置し、そこから電気を流していくことで防食電流を通電させる方式です。
選択排流方式は、電車などで用いられる方式です。
これは、レールに伝わった漏洩電流を電源にした選択排流器を設置し、埋設した菅を接続して腐食を防止する方法になります。
このように外部や電車から発生した電気を利用して防食しているのが特徴です。
まとめ
防食は、腐食やさびを防ぐ方法です。
主だった方法だけでも今回紹介したようにさまざまな種類があります。
その中でも注目されているのが電流を用いた電気防食で、パイプを守るための電流を活用する電気防食装置についても解説しました。
今回紹介した電気防食はさまざまな場所で利用されているため、もしかしたら身近な場所で目にすることもできるかもしれません。
このほかにも新しい防食技術は常に研究開発されています。
また、水道分野ではそもそも腐食しにくい樹脂製のパイプを使用するといったことも行われているので、防食を受ける前にパイプ自体を腐食しにくいものに交換してしまうといった方法も有効といえるでしょう。
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2023/03/17