早川技建

構造物によって防食塗装が必要になる 防食の基本を解説!

建築物と一口に言っても、住宅、マンション、ビルなどがあります。また、構造物と言っても、道路、ダム、堤防、橋梁などのように複数の材料や部材などから構成された物までさまざまです。

 

例えば、住宅の場合には外壁塗装をしないと、見た目が損なわれてしまうだけでなく、経年劣化が進むことで塗装が剥がれてしまい、雨水の侵入を防ぎきれないトラブルになることもあります。

 

今回は、外壁塗装よりもスケールの大きい事業者向けに、「防食塗装」について解説していきます。外壁塗装のトラブル同様、環境負荷によるトラブルを未然に防ぎましょう。

 

防食塗装について

防食塗装は、建物、建造物、構造物の「腐食」や「サビ」を防ぐ塗装です。構造物でいえば、橋梁、鉄塔、高速道路などになります。これら構造物は、雨、風、雪などに常にさらされる環境下に置かれています。

 

これら構造物を使用し続けるためには防食塗装によって「腐食」や「サビ」を防ぐ施工が必要です。

なお、防食と一口にいっても、技術、塗装、能力といった意味合いで用いられている言葉です。金属(鉄)を腐食やサビから守るための施工は技術的な対策になります。

 

被覆防食、電気防食、耐食材料の使用、環境制御というように分けられています。今回ご紹介する内容は「被覆防食」で、塗装にあたります。

 

重防食塗装について

重防食塗装は、例えば、海岸または海面上のような厳しい腐食、サビつきの環境に建設される構造物に施す塗装です。塗り替え周期については10年以上の性能を有する塗装系と定義づけしていますが、統一的に定められてはいません。

 

しかしながら、耐用年数の長い防食塗装のことを重防食塗装と呼んでいます。

 

塗膜が腐食やサビる原因は?

発生原因はいろいろあります。例えば、鉄部に塗装していた場合には、塗膜に覆われている状態なら腐食やサビの発生はある程度抑えられています。しかし、経年劣化をはじめ、地震、台風などの自然災害により、塗膜にひび割れが生じることがあります。

 

すると、内部の鉄部が露出してしまい、腐食やサビが発生してしまいます。このようなトラブルは、雨や湿気に含まれる水分、塩分が酸素と合わさり酸化鉄になるからです。

 

塗料による塗装

DIYでもペイントを施すでしょう。塗り替えはしても専用機能性塗料を用いらないことも多いです。しかし、橋梁などの構造物は厳しい環境にさらされるため、塗料は必要不可欠です。

 

鉄のみならず、コンクリートなどの被塗物をコーティングする塗料は必要で、これらを先に紹介した重防食塗料といいます。さまざまな気候、塗装条件に合わせた塗料になります。この防食用を使用して補修、補強、塗り替えなどを行います。

 

なお、重防食施工ではコンクリートから劣化した箇所を取り除き、対硫酸性モルタルなどで修復し、防食剤を塗装します。

 

耐用年数にとらわれない

このように、メンテナンスのなかで防食施工、塗装をしていくことで、私たちも安心して橋梁やインフラ構築を利用できます。なお、コンクリート防食被覆工法について先に触れましたが、鉄部の耐用年数と大差なく、10年〜の耐用年数になります。

 

しかし、環境による変化もあるため、一概に言えないのも事実です。劣化のサインを見逃さないように、事業者による調査、点検作業もしっかり行いましょう。

 

おわりに

いかがでしたか。今回はスケールの大きい構造物についてご紹介しました。防食塗装を行うことで、長く使用できるため、早め早めに塗装工事を行うようにします。住宅の外壁塗装と異なり、より、専門性の高い事業者に相談することを検討しましょう。