皆さんは金属の腐食を見たことがありますか。
腐食とは錆のことで、身近な金属の錆ですと校庭にある鉄棒が身近な存在かもしれません。
金属は置かれる環境によっては錆が発生するため、腐食の対策を行う必要があります。
そこで、この記事では金属の腐食の原因や技術について解説します。
防食とは?錆が起きる原因について
金属はご存じの通り、水に錆が発生します。
校庭に放置をしたままになっている鉄棒は、雨や雪の影響を受けるため綺麗な鉄の棒ではなく
錆のある状態になっていることが一般的です。
この錆の現象を「腐食」と呼びます。
腐食は金属が水分によって錆びるだけではありません。
ちょっと意外ですが熱も腐食させる原因です。
腐食が進んでも金属自体は強度が非常に強いので使うことはできますが
進行をすると劣化が進み表面がボロボロになってしまいます。
すると利用が難しくなってしまうのです。一般的な小さな釘などの金属は交換がしやすいですが
金属は下水道を管理する配管や、大型の工場でもたくさん使われており
腐食が進行しないように事前に対策を講じることが必要です。
そこで、「防食」と呼ばれる技術があります。
防食とは金属の腐食を止める技術であり、様々な方法があります。
代表的な防食の技術とは「メッキ」です。メッキは金属のフェイクのようなイメージがありますが
これには理由があります。
金属の表面にメッキを行うことで腐食の進行を防ぐのです。
しかし、メッキはあくまでも塗装に過ぎないので、永久的なものではありません。
ですが、金属の中でも塗装としてメッキを行うことで本体の劣化を遅らせる効果があります。
例としてよくメッキには亜鉛が使われますが、亜鉛は錆びやすいために表面の塗装に使われます。
実はあえてメッキを行っておくことも防食のテクニックなのです。
まったく錆びさせないことは難しい分、化学反応をうまく生かした防食技術があるのですね。
防食の方法とは
では、メッキ以外の方法の防食とはどんな技術があるでしょうか。
ユニークな防食技術の1つには、「環境制御」と呼ばれる方法もあります。
環境制御とは一言でまとめると「錆びない環境を化学的に作り出す」ものです。
例として挙げると、金属は自然環境の中に放置しておくと水や熱による影響でどんどん錆びてしまいますが
アルカリ性の環境を「あえて」整備することで錆が生じにくくなります。
金属の持つ特徴を化学的に分析し、相反する環境を用意することで
自然環境に放置しても強い金属を生み出すのです。
金属は錬金術のように永久に錆びないものを作ることができませんが
防食技術を最大限に駆使することで長持ちをさせることができます。
いかがですか、普段は錆びていく金属も技術の力で対抗すると考えるとユニークですよね。
防食は安全な市民生活を支えてくれるインフラでも活躍しており、欠かせない技術として進化しているのです。
この他にも、防食の技術には電源を用いるものもあります。
こちらは沿岸部の工場やガスなどの工事に用いられる技術です。
金属に対して防食電流と呼ばれる電流を流すことで、発生してしまう腐食電流に対抗する技術です。
電流同志をこちらも「あえて」ぶつけあうことで金属を守る効果が期待できます。
電流による腐食防止の方法はコストもかかる技術のため
大型の金属を守る現場を中心に施工されています。
普段の暮らしの中では目に留まりにくい場所で生かされている技術です。
いかがでしたか、防食技術とは一見とても難しい技術のようですが
よく聞くと義務教育や高等教育の現場で習う化学知識の延長線上にある技術なのです。
これからもできるだけ金属の寿命を延ばしていくために、防食の進化には期待が集まっています。
まとめ
この記事では防食とはどんな技術なのか、いくつかの防食技術を紹介しながら解説しました。
ユニークな技術も大変多く、意外な方法で金属は守られています。
防食技術はこれからの日本や世界を支えていく技術でしょう。