ガス管が腐食するとその部分からガス漏れが発生し、最悪の場合爆発など恐ろしい結果を招くことになります。
配管の素材と寿命をあらかじめ把握することで、その危険性を十分に理解することが大切です。
防食の工事を実施していない場合は、できるだけすぐに防食施工について検討すべきだといえます。
ガス管の使用場面とその素材について把握しよう
ガス管は調理器具や暖房のためにガスを供給する配管です。その材料は主に鋼、亜鉛、ステンレス、硬質塩化ビニル、ポリエチレンなどがあります。
ガス管は主に「黒管」と「白管」に分類されます。
「黒管」は亜鉛メッキが施されていないタイプのガス管で、さまざまな用途に用いられるものです。
問題となるのは「白管」で、内面と外面どちらにも亜鉛メッキが施されており、外からは白く見えます。
ガス管そのものは「配管用炭素鋼鋼管」が使用され、ガスを通すための使用温度や一般的な環境に適しています。
通常のガスの使用で問題になることはほとんどありません。
これには防食のために配管に厚みを持たせたり、規定以上の亜鉛メッキを施すといった方法が適用されることもあります。
腐食から保護するため、昔から配管にはさまざまな加工が施されていました。
ガスが通る内部に塩化ビニルによる加工を施すことや、内面にポリエステル粉の融着加工を施すことも、その防食の一環です。
もともと「配管用炭素鋼鋼管」は使用用途が多い配管です。そのまま使うこともできますが、加工することでさまざまな環境に適用できます。
ガス管が腐食する理由を知って防食につなげよう
さまざまな防食加工が施されるガス管ですが、配管が金属である以上、腐食の可能性は常に発生するものです。
昭和の時代によく使われていたガス管は「白管」と呼ばれるもので、亜鉛メッキが施されているものの、土の中に埋没させると土中の性質や水分により、亜鉛が流れ出してしまう性質もあります。
腐食が進行すればガス漏れを発生させることになるため、注意が必要です。
今では防食のため、ガス管の土中部分にあたる部分に対しポリエチレンの加工を施し、表面をプラスチックで覆うといった工夫を行っています。
ある程度年数の経過した家庭のほとんどが、腐食されやすい「白管」のガス管を使用しています。
腐食の原因は土中のバクテリアによるものや、土中での電位差が発生するための「自然腐食」、そして土中に大量の電流が走ることで発生する「電食」が原因です。
防食のためには、ガス管そのものに絶縁体の加工を施すことが最適です。
ガス管防食への取り組みについて
ガス管工事は周囲の環境などに配慮し、万全の施工が取られているものです。
しかし、長期間にわたる使用によって、腐食というアクシデントが発生することは免れません。
ガス管の腐食や損傷、ガス漏れに気づいたときにはガス会社に連絡することが最優先です。
現在、各ガス会社はできるだけ防食性の高いガス管への交換を呼びかけています。
現在腐食の可能性が低いとされて配管利用されているのは、「ポリエチレン被覆鋼管」と呼ばれるものです。
管をポリエチレンで覆った配管で、埋設用として使われています。
ガス管の寿命はおおよそ20年です。自宅敷地内のガス管はその家の資産として見なされるため、検査や交換は所有者の責任となります。ガス管が「白管」であるなら出来るだけ早く交換する必要があるでしょう。
調査や点検は無料で実施している施工会社が多いので、20年以上ガス管の工事を行っていないという場合は、早めに施工会社に連絡することが大切です。
まとめ
自宅の老朽化においてリフォームなどは検討されるものですが、ガス管については見えない分、交換作業を忘れがちです。
大きな事故につながる前に、点検や調査を依頼することは非常に役立ちます。
自然災害のあとも、大きな損傷がないか確認をすることが大切です。