早川技建

下地ごとの上手な塗り方について

 

漆喰は湿度の調節をしたり、シックハウス症候群の原因物質の一つであるホルムアルデヒドを吸着し再放出しないなど、私たちに快適な暮らしを提供してくれる塗り壁材です。

温かみのある質感でその空間に落ち着きを与えるといった視覚的・心理的な効果も見込める点なども注目され、最近では漆喰で自宅や店舗の壁をリフォームする人が急増しています。

「漆喰DIYにチャレンジしてみたい!」いう方々が持つ疑問の中に「今の壁に貼ってある壁紙をどう処理すればいいの?」「そのまま上から塗ってもいいの?」などがよく上げられます。

今回は、壁紙(ビニールクロス)へ塗る場合の手順と注意点などについてご説明いたします。ご自宅の壁紙の状態をしっかり把握してから漆喰DIYをしましょう!

 

 

・壁紙(ビニールクロス)への塗り方

壁紙(ビニールクロス)は、20~30年前から広く普及した壁材であり、今も多くの家でご使用になられているとても一般的なものです。この壁紙(ビニールクロス)に目立つ汚れや傷などがない状態であれば、「壁紙(ビニールクロス)を剥がさずに漆喰をそのまま塗ることができます。」

 

①[1回目塗り]

1回目塗りは、壁紙(ビニールクロス)が透けて見える程度の薄さで塗ります。

②[2回目塗り]

2回目塗りは、1回目塗り後から、1時間から2時間程度経過後となります。1回目塗りと同じように塗りつけて完了です。2回目塗りのタイミングは、1回目塗りの表面が半乾燥状態(手で触っても付かない程度に乾いた状態)が良いでしょう。

 

※撥水加工や耐水加工されている壁紙(ビニールクロス)には直接塗ることができません。

※注意:壁紙(ビニールクロス)の材質によって、きわめてごく稀に臭気の発生する場合がございますが、この臭気に有害性はありません。

 

 

ビニールクロスで下処理が必要な場合について

 

壁紙(ビニールクロス)が少し汚れている場合・剥がれている場合

①汚れは水拭きできれいに落としましょう。油汚れが付着している場合は必ず除去してから施工してください。

②剥がれている箇所がある場合は、壁紙(ビニールクロス)を貼り直してから、または、剥がれている部分だけをカットしてから塗りましょう。カットした切れ端の部分は、タッカーもしくはビスで止めてから施工しましょう。

 

壁紙(ビニールクロス)が大きく剥がれている場合、カビが発生している場合

壁紙がひどく剥がれていたり、破れているときは、剥がしてから施工するようにしましょう。その破れ目から漆喰が割れて崩れたり、仕上がりが凸凹なってしまう可能性があります。

壁紙がひどくカビている場合も剥がしましょう。漆喰を塗ってからカビが再発してしまう可能性があります。剥がれがひどい場合とカビの繁殖がひどい場合は、壁紙(ビニールクロス)を剥がす必要があがあります。

 

壁紙を剥がす場合

①壁紙の継ぎ目から徐々にめくりながら剥がしましょう。強く下地についている場合は、スクレーパーを使用して剥がすとスムーズです。

②壁紙(ビニールクロス)の「裏紙」も剥がしましょう。

壁紙(ビニールクロス)を剥がすと「裏紙」が残ります。この裏紙も剥がす必要があります。裏紙を剥がす際は、霧吹きや濡れぞ雑巾で裏紙に水分を含ませると剥がしやすくなります。水を含ませた後は、スクレーパーなどで擦りながら剥がしていきます。

裏紙を剥がす際に、強く擦りすぎると石膏ボード等の下地に傷がついてしまう場合があります。適度な力加減で剥がしましょう。

カビの発生している壁紙(ビニールクロス)を剥がしてから施工する場合は、剥がした後の下地もチエックし、カビが発生している場合は、カビ除去剤を使用して除去してください。

 

壁紙が紙や布である場合

紙や布でできた壁紙場合はそのまま塗ることはできません。

この場合は、下地が水分を吸収し、硬化不良を起こします。紙や布でできている壁紙の場合もすべて剥がしてから施工をしましょう。

※表面の加工が「紙調」や「布調」である場合は、壁紙(ビニールクロス)ですので、剥がさずに施工することができます。剥がす必要はありません。