早川技建

日々進化するマンホールなどに使われる防食技術について

 

さまざまな種類の金属を腐食させない、腐食する速度をゆっくりにする方法を防食といいます。

腐食とは、鉄などに出来る錆のことです。

 

金属は、腐食することで本来の機能が発揮できなくなる、破損につながってしまうなどの可能性があります。

 

金属は、さまざまな場所、部品として使われています。

このような金属が腐食してしまうことがきっかけとなり、大事故につながる危険性もあります。

 

このことからも、防食加工は非常に大切なことです。

 

私たちの生活の身近にあるマンホールについて

金属が腐食する原因は、その金属の素材や置かれている環境によって、それぞれ違います。

 

金属の腐食原因を取り除くこととなる防食加工によって金属は本来の機能を維持し、発揮できるでしょう。

 

私たちの身近にあるマンホールも金属で作られています。

マンホールは、私たちの生活、身近な場所にある金属のひとつなのではないでしょうか。

 

マンホールは、地下の下水道や埋設されているさまざまな施設のケーブルなどを管理する目的で存在しています。

 

現在、マンホールは下水道だけではなくさまざまな種類のものがあり、水道、消火栓、電話、電気、ガス施設、ケーブルテレビなどがあります。

 

マンホールは、そこから作業員が地中に入り作業することができるために作られている縦穴です。

 

マンホールが使われている場所のひとつ、下水道。下水道は、1965年頃から取り入れられ、当初の普及率は8パーセントほどでした。

 

それから50年ほどかけて、下水道の普及率は急速に進み80パーセントまでになりました。

下水道が最初に導入されてから、既にかなりの年月が経過しています。

 

そのため、マンホールの老朽化も進み、防食などの改築、修繕管理が必要となってきています。

マンホールの防食技術は、マンホールが普及し始めた頃の防食技術とは違い日々進化しています。

 

当時と比べ、近年の防食技術は高くなってきているでしょう。

 

さまざまな環境に置かれるマンホールの防食加工について

マンホールの蓋は、環境汚染物質や海水に触れること、下水から発生する腐食性ガスなどによって腐食します。

 

したがって、マンホールの蓋にはさまざまな方法の防食加工が施されます。

マンホールの防食加工の一つとしてあるのが、防食溶射です。

 

溶射とは、溶融などによって溶射材料を物体の表面に吹き付けて皮膜を作っていく表面処理法の一種。

 

対象物に対し、金属やセラミックス、サーメット、プラスチック等、さまざまな材料が吹き付けられます。

 

金属表面に、溶射することで金属表面の性質を変えることができます。

 

溶射することで、金属表面の性質は、硬くなる、腐食物質に強くなることで防食機能が備わる、熱を伝えにくくなるなど、さまざまなメリットが加わります。

 

このような加工によって、さまざまな環境に置かれているマンホールに防食機能がプラスされます。

下水道施設のコンクリートは汚水や汚泥の中にあるさまざまな物質により日々劣化していきます。

 

このような環境にあるマンホールは、防食被覆工法を施しても小さな穴などが開いてしまうとその部分から腐食が始まってしまいます。

 

防食被覆子法は、技術などが日々進化されることで耐用年数が10年から50年へと長くなっています。

 

下水道をはじめとするマンホールは、防食ライニング工法というガラスパウダー材を塗布し、トップコートを上塗りする工法などもあります。

 

このように、私たちの生活に欠かせないマンホールには防食技術が施され、その技術が進化していくことにより私たちの安全な暮らしにもつながっているのではないでしょうか。

 

マンホールは、下水道をはじめ電気やガス施設など、さまざまな場所に使われています。

 

さまざまな環境に置かれるマンホールは、金属でできているため腐食の可能性が高く防食加工が非常に重要です。

 

今後の防食技術の進化が、マンホールなどのメンテナンス、コスト削減にもつながっていくのではないでしょうか。