早川技建

長期的に使用する配管には、最適な防食対策が欠かせない

配管はいろいろなところで使われており、大抵は長い間使います。ただ、同じ配管をずっと使い続けると、その分劣化が進みます。特に化学反応で配管が脆くなったり、微生物に食べられる腐食は大きな問題です。そのような腐食対策として、防食のことを考えなければなりません。防食の方法は、いろいろありますので紹介していきます。

 

腐食に強い素材でできた配管を使う

防食対策としてはまず、腐食に強い素材選びが大切です。配管は金属でできていて、耐久性の高い鋼管が定番ですが、金属だけだと腐食に弱いです。数年使っただけで、穴が開いたり変形する怖れがあります。なので表面にメッキ加工が施されていたり、ビニールの膜がコーティングされている配管を選ぶと良いでしょう。

 
表面加工ではなく、特殊な材料が使ってあって、単体でも腐食しない配管を選ぶという方法もあります。そのような配管を使えば、あとからの防食対策の負担が減ります。使用目的や環境によっては、腐食に強い配管を使うだけで、十分防食対策ができるかもしれません。

 
また防食加工された配管は、内側からの腐食を防げるのも魅力です。配管の腐食は、何も外側からだけ進むのではありません。水や、酸性が強い液体などを中に通せば、当然内側からも腐食していきます。そうすると配管が劣化するだけでなく、腐食で溶け出した配管の材料が、中を通るものに混ざる怖れがあります。そのような内側からの腐食を防ぐには、最初に防食加工が施された配管を使うしかありません。

 

安価な防食にはテープを使用する

配管の外側から防食対策をするのであれば、専用のテープを使用すると良いでしょう。配管の外をすべてテープでコーティングしてしまって、腐食の原因になる水や微生物が配管に触れないようにするわけです。テープはシンプルな構造で、簡単に作れるので、コストがあまりかかりません。なので大量の配管の防食対策を安価で済ませたい場合にもおすすめです。

 
テープだと、どうしても隙間ができて、液体やサイズの小さい微生物であれば、その隙間から入り込むのではないかと考える人がいるかもしれません。もちろんただのテープだと、隙間ができてしまうこともあります。ですが、防食用のテープには、自己癒着タイプがあります。配管に巻き付けたあと、テープ同士がしっかりと張り付いてしまうタイプです。一度張り付いてしまった自己癒着テープは、剥がすのが難しいくらい非常に強力です。なので液体や微生物が入り込む心配はないでしょう。

 

見た目を美しくしたいときは防食塗料

防食テープを使用すると、どうしても見栄えが悪くなってしまいます。特に均等な間隔で巻かなければ、歪な見た目になるでしょう。そのような見た目の問題を気にしなければいけないときは、防食塗料を選ぶと良いです。塗料であれば、隙間や凹凸などのない、美しい見た目になります。なのでむき出しになっている配管にも向いています。そして自然と隙間がなくなるので、自己癒着テープを使用したときと同じ効果が期待できます。

 
また防食塗料は、液体状なので、使える材料の種類が多いです。テープでは対応できない防食対策でも、塗料であればできることがあります。なので特殊な防食が必要なときは、塗料を選ぶことになるでしょう。さらに防食塗料には、配管のつなぎ目に使うシール材というタイプもあります。配管は凹凸が大きいつなぎ目に、液体が溜まりやすく微生物も入りやすいです。そのようなつなぎ目をシール材でカバーすれば、防食対策になります。

 

まとめ

配管は、使用目的によって中に何を通すのかが変わります。また使用する場所によって、外環境もまったく違うでしょう。その使用目的や外環境に合わせて、防食対策をすることが大切です。万能な防食対策はないので、正しい知識を持って、最適な方法を選びましょう。