漆喰は湿度の調節をしたり、シックハウス症候群の原因物質の一つであるホルムアルデヒドを吸着し再放出しないなど、私たちに快適な暮らしを提供してくれる塗り壁材です。
温かみのある質感でその空間に落ち着きを与えるといった視覚的・心理的な効果も見込める点なども注目され、最近では漆喰で自宅や店舗の壁をリフォームする人が急増しています。
「漆喰DIYにチャレンジしてみたい!」いう方々が持つ疑問の中に「今の壁に貼ってある壁紙をどう処理すればいいの?」「そのまま上から塗ってもいいの?」などがよく上げられます。
今回も前回に引き続き、壁紙(ビニールクロス)へ塗る場合の手順と注意点などについてご説明いたします。ご自宅の壁紙の状態をしっかり把握してから漆喰DIYをしましょう!
・古壁(繊維壁・砂壁・京壁・漆喰壁・土壁)に塗る場合
①古壁と呼ばれる、砂壁や京壁、繊維壁など和室の壁に塗る場合、まずはほこりや壁に付着している汚れなどをきれいに取り除きましょう。
②カビが生えている場合は、市販のカビ除去剤を使ってカビを取り除いてから施工しましょう。
③壁の状態が健全であるかを事前に確認しましょう。
経年劣化した古壁は、下地から剥がれている可能性があります。
下地としっかり付いていない古壁に漆喰を塗った場合、水分を吸収することで剥がれてきてしまう恐れがあります。劣化が予想される古壁に施工する場合は、剥がしてから施工すると良いでしょう。
・石膏ボードや合板に塗る場合
まずは、ビス留めが縦150mm程度で、くまなく施工されているか確認しましょう。
これくらいのピッチでしっかりとビス留めが行われていないと、構造的にひび割れを起こす可能性が高まってしまうからです。
[石膏ボードの場合]
①下準備として、ボードや合板の継ぎ目にテープを貼りましょう。継ぎ目に貼ったテープの上から漆喰を詰め込んでいきます。
②テープの上から漆喰を詰め込み半日ほど経過したら、テープが隠れるくらいの範囲で漆喰を薄く塗ってください。今度はビスの頭を隠すように、漆喰を薄く塗っていきます。
③ここまでの作業が完了したら1日待ち、翌日にボード全体に漆喰を塗りましょう。こちらも 壁紙(ビニールクロス)と同じ手順で、2回塗りで完成です。
[合板の場合]
①合板に漆喰を塗る場合は「下塗り用」が必要となります。
②下塗り用をビス頭や繋ぎ目に塗った後1時間から2時間後に下塗り用で下地が透けて見える程度の薄さで全面に塗ってください。
③下塗り用を全面に塗った翌日以降(完全に乾燥した後)に「仕上げ用」を薄く全面に塗ってください。施工後1時間から2時間後にもう一度全面に塗って完成です。
合板に下塗り用を塗った後、灰汁(アク)と呼ばれる赤茶色のシミが出てくる場合がありますが、仕上げの工程を完全に乾燥した後に行うことで、表面に出てくることはありません。
・コンクリートやブロック、モルタルに塗る場合
①まずは壁面のほこりや汚れをきれいに除去します。事前に水洗いをしておきましょう。藻やカビが付着している場合は、デッキブラシや高圧洗浄機で除去しましょう。
②外部でもしっかりと養生をしてから施工を始めましょう。
③下地が透けて見えるくらいの薄さで塗りましょう。下塗りを行った翌日以降に仕上げ塗りを薄く2度塗りして完成です。
コンクリートやブロックなどの外壁に漆喰DIYをする場合、接着力と耐久性に優れた「下塗り用」がオススメです。