早川技建

「住宅の印象を大きく左右する門扉の種類や素材とその特徴」

 

住宅を建てる時に悩むものの一つに「門扉」があります。門扉のデザインによって家のイメージがガラリと変わります。

また、敷地のスペースによって設置できるタイプが異なります。

門扉には色々な種類があり、住宅のエクステリアの重要なポイントになるため、

デザインや素材などをよく考えることが大切です。

 

●門扉の役割

門扉には主に、「防犯性」と「安全性」の役割があります。

1)防犯性

門扉は訪問者を招き入れるだけではなく、不法侵入を防ぐ役割を担っています。

門扉があることで『忍びにくい』と感じさせるため、犯罪の抑止力に繋がります。

より高い防犯性を求める場合は、家の中から操作できる電子錠タイプの門扉もあります

2)安全性

安全性という点では、小さい子どもやペットの飛出しを防止できます。

玄関から勢いよく出て行っても、門扉があることで一度立ち止まり、周りを伺うようになります。

特に、交通量が多い道路に面している住宅では、門扉の設置が必須となります。

 

●門扉の開き方の種類

門扉の開き方には「外開き」、「内開き」、「引き戸」の3種類があります。

1)外開き

敷地の外側に向かって開く扉のことです。外開きの場合は、扉を開いた時に通行人や車などにぶつからないように、

設置場所を敷地の内側に後退させる必要があります。

2)内開き

敷地の内側に向かって開く扉のことです。敷地内に扉を開けられるだけのスペースを確保しなければなりません。

3)引き戸

扉を横にスライドさせて開けます。内外にスペースがなくても開閉でき、また間口を広くとれるため、

ベビーカーや買い物袋などの荷物がある時に便利です。

なお、各開き方とともに、以下の仕様を組み合わせて、門扉が構成されます。

・片開き:1枚の扉によって作られています。

・両開き:2枚の扉を使って作られています。

・親子開き:両開きと似ていますが、片方の間口が狭く固定されています。

・折り戸:門を開いた時に扉を折りたためます。

・アコーディオン:アコーディオンのように伸縮します。

・跳ね上げ:扉が上下に開閉します。

 

●門扉の素材

門扉の素材には多くの種類があるため、それぞれのメリットやデメリットを把握してから選択することが重要です。

1)アルミ形材

最もスタンダードな門扉の素材になっています。サビや腐食に強く、軽くて安価という特徴を持ちます。

見た目がシンプルでスタイリッシュなデザインから、どのような住宅にも合うというメリットがあります。

2)アルミ鋳物

高級感や重厚感を感じさせ、オシャレな印象を与えることから、洋風の住宅にピッタリです。

ただ、細めのアルミを使われることが多いため、外部の目からの遮断効果は低くなっています。

3)樹脂

ポリエチレンなどの樹脂素材で作られていることから、メンテナンスが容易です。

天然の木のデザインにしたり、アルミを採り入れて強度を高めたりするカスタマイズ性の高さが特徴になっています。

4)鉄製

映画に出てくるような、海外の住宅のムードを醸し出します。重厚感があり、豪華な印象を感じさせます。

ただし、鉄の弱点として、経年劣化やサビの問題が残ることは否めません。

5)木製

天然の木材の優しい手触りが特徴の素材です。柔らかくて様々な形に加工できる「ソフトウッド」と、

固くて丈夫な「ハードウッド」があります。腐食しやすい欠点がありますが、

腐食防止加工のされた素材が開発されています。

6)スチールメッシュ

強度に優れており、且つ安価です。格子状のものや、スリットを入れたものなど、デザイン性にも優れています。

反面、気候の変化に弱く、腐食しやすいというデメリットを抱えています。

 

●まとめ

門扉はエクステリアの根幹をなすものであり、周囲からの印象を左右する住宅の顔ともいえる存在です。

そして、開き方や仕様、素材などによって使い勝手が大きく影響されます。

一生使い続けるものでもあるため、住宅やライフスタイルに合わせて、門扉を選択することが肝心です。