早川技建

水道管の劣化による腐食を予防する電気防食とはどんなものか?


 

水道管は、常に水にさらされることや

金属の表面の両極間に電気が流れることによって、徐々に劣化していきます。

そして、劣化が頂点に達した際に腐食が発生し破損、漏水が発生してしまいます。

しかし、この流れを緩やかに、しかも予防する技術として注目されているのが電気防食です。

今回は、水道管の腐食について解説したうえで、

電気防食とはどのような技術なのかを解説していきます。

 

 


水道管の腐食はどのような状態か

水道管の腐食とは、主に金属部分がさびなどで劣化し、

その部分にひびや穴が開いたり、破損したりといった状態を指します。

水道管の内部を見るとさびの堆積や、

あるいは管の破損が発生しているといった形になって表れるのです。

この腐食が起こると、水道管の破裂、水の出が悪くなる、

水が汚れるといったトラブルが発生します。

まず、水道管の腐食によって傷ついた水道管は、水圧によってある日突然破裂します。

これによって水漏れが発生し、家屋や建物を破損させてしまうのです。

次にさびの堆積などによって水道管の直径も細くなります。

そのような状態になると水がスムーズに流れなくなり、

水の出が悪くなるというトラブルも発生します。

また、水道管の腐食によって水が濁ることも多くなるのも症状です。

これによって水質が悪化し、利用する方の健康にもよくありません。

このような状態を解決する手段として注目されているのが、電気防食なのです。

 

 

水道管の腐食を防ぐ電気防食とは?

電気防食とは、金属製の配管に電気を流すことでさびの進行を抑えて、

さびを改善させていく技術です。

給水配管の内側に線状の電極を差し込み、電極から微弱な電気を流すことによって、

防食効果を出していくという仕組みです。

線状の電極は耐久性の高いものを使用し、長期間にわたって電気を流して防食を行っていきます。

弱い電気なので、蛇口の水に触れて感電したり、

電極自体が腐食して有害な成分が多量に流出したりといったこともありません。

また、電気料金も1戸建てで年間約100円程度です。

意外なところでは、水の鮮度も維持されて、健康にも優しい水が供給できる点も挙げられます。

このような効果が期待できるため、施工対応できる業者に相談してみるのがおすすめです。

 

 

電気防食を行う上での注意点

電気防食は、有効な防食技術として国の認定も受けた工法です。

しかし、注意点として腐食の程度によっては利用できない、

防食の機能取得に時間がかかるという2つの点が挙げられます。

まず、水道管が完全に腐ってしまっている場合、

あるいは破損が著しい場合は、施工の対象外になります。

ただし、この破損部位や著しい腐食が限定的な場合は、

配管を一部交換する工事を追加するだけで施工できる場合もあるので、一度相談してみましょう。

次に防食の機能獲得には約3~約18か月の期間がかかるという点も注意しましょう。

これは、水道管の管径や配管用亜鉛めっき鋼管、配管用炭素鋼鋼管、

水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管、

水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管といった管種によって異なります。

加えて、水道管のさびの状態や

利用している水道水の水質によって効果の出方が変わる性質があります。

電気防食を施行する際には、この2点に注意して施工を検討することをおすすめします。

 

 

まとめ

水道管は、多くの部分で金属を使用しているため、徐々に腐食が発生します。

この腐食がピークに達すると様々な症状が目に見える形で表れてきます。

こういった症状を予防し、改善するのに有効な手段が電気防食で、

施工することによって多くのメリットが得られるのが特徴です。

しかし、効果が出てくるのに期間がかかることや劣化が完全に進行したものには、

効果が期待できないといった点に注意点もあります。

まずは専門家に相談するのがおすすめです。