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いろいろな建造物の耐久性を高められる防食塗装について


 

建築物や構造物に使用されている金属やコンクリートなどの素材は、そのままでは耐久力が非常に低いです。
厳しい環境に置かれると、錆びや酸が溶かすなどの腐食による劣化が早まってしまいます。
その腐食を抑えるための防食対策に使えるのが、塗装です。そして周囲の環境に合わせて、塗装の内容は変わります。

 

建造物の表面に膜を作って保護

腐食が起こる主な原因は、建造物の表面に水分や薬品が付着することです。
その付着を防ぐために防食塗装を行います。
防食塗装を施せば、建造物の表面はしっかり保護されることになり、腐食はほとんど進みません。
住宅の外壁や橋梁など、雨風にさらされ続けるものは大変多いです。

 
また事業で薬品を使う場合、工場の設備に薬品が付着する怖れがあります。
そのような構造物や設備に対して、防食塗装が必要です。
そして外環境の建造物への防食塗装は、塗膜が簡単に剥がれてしまってはいけないので、厚みを持たせることになります。

 

防食塗装で使用する塗料

防食塗装は、ただ単純に1種類の塗料を塗れば終わりというわけではありません。
複数の塗料を使って、役割の異なる膜を作ることが必要です。
そして防食塗装で使用する塗料には、いくつもの種類があります。

 
コンクリートや鉄筋など、錆に弱い建造物に防食塗装を施す場合、
ジンクリッチペイントという塗料が使われることが多いです。
ジンクリッチペイントとは、亜鉛を大量に含んだ塗料です。
亜鉛は鉄よりも錆びやすいという特徴があり、
防食塗装で使用すると、建造物の代わりにジンクリッチペイントが錆びてくれます。
なので建造物自体は劣化から守られるという仕組みです。

 
ほかにはビニルエステルやエポキシを使った塗料が使われます。
厳密には防食材と呼ばれ、水分や薬品に強い性質を持っている材料です。
その防食材の膜を表面に作れば、水分も薬品も構造物に触れることがありません。

 
どのような防食塗装であっても、何らかの防食材は使われると考えて間違いありません。
そしてアクリルやウレタンなど、防食ではない一般的な塗料も使います。
主に塗膜の表面で、防食材が劣化するのを防ぐために紫外線を遮ったり、見た目を変えるために使われる塗料です。

 

防食塗装を行う工法

防食塗装は、複数の膜を作ります。
それに伴って防食塗装の工法もいくつものステップに分かれます。

 
まず必要になるのは、塗装に最適な下地作りです。
建造物の表面は凹凸が大きく、そのままではなかなか塗料が定着しません。
なのでまずは研磨作業を行い、凹凸をなくさなければいけません。

 
また建造物のなかには、すでに劣化していて、ひび割れや一部の欠損などの状態になっているものもあります。
そのような建造物には補修工事が必要です。

 
補修工事が済んだら防食塗装の工程に移ります。
最初に下地として使用するのは、ジンクリッチペイントです。
下地として建造物に直接塗ることで、大きな防食効果を発揮します。
ですが、ジンクリッチペイントはほかの塗料との相性が良いとは限らないので、
塗料との定着を良くするための下地を別に使わなければいけません。

 
下地塗りが終われば、中塗り塗料を塗っていきます。
主に中塗り塗料として使用されるのが、ビニルエステルやエポキシなどの防食材です。

 
そして最後にアクリルやウレタンなどの塗料を使って上塗りの作業をすると、すべての工法は完了です。
中塗り塗料と上塗り塗料は相性が良い種類を選びますが、
どうしても相性が良くないものを選ばなければいけないときもあります。
そのときには、中塗りと上塗りの間に、塗料同士の定着力を上げるプライマーを塗るという工程を挟みます。

 

まとめ

一般的に塗装といえば、無機質なものに色を付けるというイメージを持つ人が多いでしょう。
防食塗装にも色を変える役割はありますが、腐食を抑えることがメインです。
素材が劣化しないよう、環境に最適な塗料を選ばなければなりません。
また塗料の機能を最大限に活かすために、正しい工法で塗装することが大切です。

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2023/11/24

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