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防食とは一体どんな技術?マグネシウムを生かした陽極とは?

 

皆さんは金属の腐食を見たことはありますか。

最初は美しい状態だった金属も、環境の影響で経年劣化し、腐食していきます。

学校にある鉄棒などをイメージしてみるとわかりやすいでしょう。

しかし、科学技術を用いて防食の進行を緩やかにすることはできます。

この記事では防食やマグネシウムを生かした技術について解説します。

 

 

防食の技術の歴史

防食の技術は200年以上前から進化を始めたと言われています。

1800年代に木造の軍艦の船体外板に生じる腐食を封じる方法が模索され、

陽極を生かした技術が生まれたとされています。

日本においてもこうした海外で進化した技術を元に、

第2次世界大戦後に湾口関係の施設、海洋付近の構造物を中心に防食の技術が発展しました。

現在も科学の進化を土台に安全性の高い防食技術が生まれています。

この流れからもわかるように、防食の技術は金属と海が共存する環境で発達しました。

多くのインフラが集中している湾口関係は、金属が欠かせない存在です。

しかし同時に、激しい腐食に晒される環境でもあります。

そのため様々な技術を使用し、防食を発達させてきたのです。

この技術は現在湾口エリア以外のインフラなどにも使用されています。

 

 

電気防食について

では、防食の技術の中でマグネシウムはどのように生かされているのでしょうか。

ガスや水道をはじめとするパイプラインなどは、私たちのくらしに無くてはならない存在です。

そのため高度な金属技術が導入されており、防食も行う必要があります。

この際に用いられる防食の技術は「電気防食」と呼ばれています。

マグネシウムを生かした合金の陽極を導入しており、

大きな鋼などに対しても積極的に防食電流を発生させ、腐食の進行を遅らせているのです。

マグネシウム合金による陽極は大変優れており、

無害性の合金のため安心して様々な場所で使えるのもポイントです。

また、設置や施工もその他の種類の陽極と比べると簡単で、保守点検も大変スムーズです。

このように扱いやすさ、

能力の高さから地下に眠るタンクへの防食にもマグネシウムの陽極が使われています。

 

 

電気防食の代表的な技術について

最新技術としても活躍するマグネシウムの陽極ですが、

具体的にはどんな電気防食の技術で生かされているのでしょうか。

電気防食の代表的な技術は2つあります。

まず「流電陽極方式」は防食を施したい対象に対して金属を付加し、

その電位差を利用して防食効果のある電流を流す、という技術です。

マグネシウムが最もポピュラーですが、その他にもアルミニウムなどの材料もあります。

もう一つの技術は「外部電源方式」です。

こちらは直流タイプの電源を用い,防食を施したい対象にカソードとして通電をさせます。

一般的にはマグネシウムを生かした流電陽極方式は

電源がうまく使えない場所でも安全に施工できるとされ、多くの場所で使用されている技術です。

但し、高抵抗に対しては弱いという側面もあるので、適材適所を見極めながら導入されています。

流電陽極方式は広範囲に渡って電位分布を均一にコントロールできるため、

電極近くで最大の電位を発生させる外部電源方式とは違ったメリットがあります。

一方で、どうしても寿命が来るのは流電陽極方式の方が早く、定期的な交換も必要です。

今後は耐久性も踏まえて技術の向上を図り、防食技術の更なる発展が期待されています。

防食とはインフラはもちろんのこと、くらしを支える縁の下の力持ちなのです。

 

 

まとめ

確かな技術があるからこそ維持できる巨大な構造物も多く、

正しい防食の技術があるからこそ稼働ができています。

近年は公共関係の施設の老朽化とともに、ますます防食の技術が求められるようになりました。

科学の英知を結集させ、今後も安全な防食を施工していく必要があるでしょう。

 

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2022/01/28

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