ー外構工事で設置するカーポートとは、メリット・デメリットも紹介ー

新築のプロジェクトを進める際、外構工事の一環としてカーポートの設置を検討する家庭が多いです。

カーポートとガレージでは、サイズやデザインが異なり、さまざまなバリエーションが存在します。そのため、設置する目的を明確にして選択することが重要です。

この記事では、カーポートについての基本的な知識と、外構工事における設置のメリットとデメリットを解説します。

カーポートとガレージの基本的な違い

カーポートという言葉は、その名の通り「自動車が駐車する場所」を指します。

外構デザインの分野では、屋根付きの駐車スペースをカーポートと称しています。一方で、ガレージも外構工事で人気の高い駐車スペースの一つです。

カーポートとガレージの主な違いは、カーポートは四方を壁で囲まれていない点にあります。ガレージは、三方向が壁で囲まれ、入口にはドアが設けられている、より閉じた構造をしています。

カーポートは、屋根と支柱のみで構成される比較的シンプルな構造で、基礎を設置する際には支柱を地面に固定するだけで済むため、施工が簡単です。このシンプルさから、ガレージに比べて外構工事のコストを抑えることができるというメリットがあります。

カーポートの役割とは

カーポートの主要な機能は、車や車に乗る人を上空からの落下物や天候から守ることにあります。カーポートの設置を考える方のなかには、車の乗り降り時に雨に濡れたくない方や、車を鳥の糞や虫害から守りたいと考える方が多いです。

カーポートの設置を検討する場合には、そのメリットとデメリットを十分に理解しておくことが重要です。カーポートは地面に確実に固定されるため、簡単には解体することができません。撤去作業には柱を切り離す必要があり、この工程は比較的容易ではありますが、もちろんコストは発生してしまいます。

設置後に後悔することがないよう、設置前にメリットとデメリットをしっかり検討し、満足のいく選択をしましょう。

外構工事でカーポートを設置するメリット

雨の日に車への乗り降りをする際、カーポートがあると濡れる心配がありません。とくに梅雨時期や荷物を多く持っているとき、子供や高齢者のサポートが必要な状況では、カーポートは非常に便利です。足元が濡れずにすむため、滑りや転倒のリスクも低減します。

紫外線は車の塗装にダメージを与えることが知られていますが、カーポートの屋根は紫外線を遮るため、車をきれいな状態で保ちやすいのも魅力です。さらに、熱を遮る材料を選べば、夏場の車内温度の上昇も防げます。

冬場にフロントガラスにつく霜取りは時間がかかりますが、カーポートがあればその手間も省くことができます。雪が降る地域では、車を雪の重みから守ってくれるので、朝の準備が楽になるでしょう。カーポートには、さまざまな積雪レベルに対応できるオプションがあります。たとえば、50センチや100センチ、さらには200センチの積雪に耐える製品も存在しますよ。

カーポートはサイズや形状のバリエーションが豊富で、特定の土地の条件に合わせて調整することができます。色やデザインの選択肢も多く、住宅の外観に合わせて最適なものを選べます。ガレージと比較してもコスト面で有利で、一台分のカーポートならば約15万円からという手頃な価格で設置が可能です。

工事期間も短く、一台分のカーポートならば1週間以内、ときには1日で設置が完了することもあります。外構工事業者との打ち合わせもスムーズに進行しやすく、あまり待たずに完成する点も大きなメリットです。

カーポートのデメリットとその解決策

カーポートはガレージと異なり、側面の壁がないため、強風時には横から雨が入り込むことがあります。この点はデメリットではありますが、追加で壁パネルを取り付けることにより、この問題を軽減することができます。予算が許せば、屋根を広げてさらに保護を強化することも可能です。

駐車するためには支柱の設置が必要で、その分、利用可能な駐車スペースが制限されます。しかし、支柱を後方に配置する設計のカーポートもあり、これを選べば駐車スペースを最大限に活用できるでしょう。

ガレージと比べると見た目が弱そうなカーポートですが、実際には風や雪の負荷に耐えうる強度を持って設計されています。ただし、積雪の許容量を超えたり、特大の台風が襲ったりすると、屋根が損傷する恐れもあります。強風時には、屋根材が飛ばされることが最も懸念される点であり、これを念頭に置いておく必要があるでしょう。

カーポートはガレージのように四方を完全に囲む構造ではないため、防犯面では不利です。また、サイドに壁がないため、車両への不正アクセスやいたずらのリスクがあります。加えて、柱の配置によっては、車のドアの開閉がしにくく、乗り降りが困難になる場合があります。そのため、施工前に車とカーポートの柱の位置関係を確認しておくことが重要です。